Monday, November 23, 2009

特集 国際財務報告基準(IFRS)シンポジウム(1)

 2009年10月に開催されたIFRSシンポジウムにおける、金融商品会計と収益認識をテーマとする分科会の報告である。
 
 前者の分科会では、IASBトゥイーディー議長から7月に公表された公開草案「金融商品:分類及び測定」について特に詳細な説明がなされた。戦略投資の評価差額をその他包括利益に表示する方法は、「日本版改訂」と呼ばれているそうだ。議長は、公開草案について、2つの分類、1つの減損処理方法が提案され、複雑な39号に対 して著しく簡素化が図られていると評価している。
  
 後者の分科会では、IASB山田理事から、昨年12月に公表された収益認識についてのDPの説明がなされた。DPには多数のコメントが寄せられたが、「単一モデルの確立」というプロジェクトの目的には支持が多かったものの、収益認識のキーワードとなる「支配」の概念がはっきりしない、長期工事契約に対して適切かなどの意見も あった。

会計・監査ジャーナル2009年12月号