Thursday, July 21, 2005

情報サービス産業における監査上の諸問題について

IT業界における特殊な取引検討プロジェクトチーム報告「情報サービス産業における監査上の諸問題について」(2005年3月11日)

この報告書は、まず、情報サービス産業の監査においては、統制リスクの評価だけでは十分ではなく、固有リスクを明確に識別したうえで、実証的監査手続を駆使した深度のある監査が必要であるという見解を示している。

情報システム産業の取引形態には、開発型、コンサルティング型、商社型があるが、いずれにおいても、物・サービスの内容を確認することが難しいという特質 を有している。報告書では、取引形態ごとに、物・サービスの内容を確認するうえでの留意点を述べている。特に、商社型においては、スルー取引、Uターン取 引、クロス取引などの異常取引に対して、慎重な対応が求められている。

また、ソフトウェアやそれに付随するライセンスは「無形」資産であり、取引価格の合理性について多面的な検証が必要であるとしている。

さらに、会計処理基準を明確にすべき項目として、(1)総額・純額表示の区分、(2)収益の認識時点、(3)複数の要素のある取引を挙げている。

JICPAジャーナル2005年5月号 P.157~163