Sunday, March 26, 2006

ソフトウェア取引の収益の会計処理について

ソフトウェア取引の収益の会計処理について(大木正志)

ASBJの実務対応報告案「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」を中心に、ソフトウェア取引の収益の会計処理に関するポイントを監査の観点も交えて説明している。

実務対応報告案で取り上げているポイントの第1は、収益認識である。案では、その要件として、取引の実在性を挙げているが、筆者は、当事者間で署名された契約書のみが立証可能な取引証拠となるべきであり、契約書を取り交わす慣行がない場合にも、他の取引文書(第三者からの注文書など)が必要であるとしている。また、要件として挙げられている「対価の成立」について、支払期日外上に長い場合、対価が固定あるいは確定していないと想定すべきであるとしている。

ポイントの第2は、複合取引である。筆者は、報告案ではふれていないが、実務上注意を要するものとして、無償・低廉サービスの提供を挙げている。

ポイントの第3は、総額表示の問題である。筆者は、これは情報サービス産業に特有の論点ではなく、垂直的多段階請負構造や水平的多段階取引構造を持つあらゆる業種に共通する会計問題であるとしている。

JICPAジャーナル2006年4月号 P.12~17