座談会「監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」をめぐって」
この座談会では、82号の解説のほか、金融庁のQ&Aのポイントも金融庁担当官により説明されている。
内部統制報告制度の概要や公開草案との相違点を説明したのち、対象となる財務報告の範囲や、経営者の評価手続を検証しないことの意味を議論している。
監査計画の策定においては、監査契約の締結方法、決算日が異なる連結子会社への対応についてふれている。最も注目されている評価範囲の妥当性については、勘定科目金額におけるカバー率や、全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセスの検証を省略できる拠点の範囲などを取り上げている。トップダウン方式ということで日本基準で重視されている全社的な内部統制については、不備がある場合の取扱い(重要な欠陥となるか)、業務プロセスへの影響などを議論している。
そのほか、業務プロセスに係る内部統制の検討(特に決算・財務報告プロセスを決算日前に評価することについて)、重要な欠陥の測定方法、監査調書のまとめかた(一体作成が原則)、内部統制監査報告書などについてもふれている。
82号の重要点が理解でき有益な記事であった。
会計・監査ジャーナル(別冊付録) 2008年2月