財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基の設定について(意見書)
基準は、基本的枠組み、評価及び報告、監査の3部から構成されている。基本的枠組み以外は、財務報告に係る内部統制に限定して議論している。実施基準も同様であるが、基本的枠組みの中で構築、監査の中で監査計画と評価範囲の検討に関する項目を追加している。
基本的枠組みでは、内部統制の目的と基本的要素を中心 に議論している。評価(経営者によって行われる)に関しては、実施基準で事業拠点や業務プロセスといった評価範囲の絞込みの方法を具体的に示している点が重要である。
内部統制監査については、財務諸表監査との一体的実施、報告書の一体的作成を強調している。経営者がやむを得ない事情によって内部統制の一部を評価範囲に 含めなかった場合の扱いについてもふれているが、追記情報付の無限定適正意見とするというのは、理解が難しかった。評価報告書に含めないことを認めている以上、監査でも除外事項としないという理論であろうか。
会計・監査ジャーナル2007年4月号